【1月9日 AFP】フランスの新しいファーストレディになるかもしれないカーラ・ブルーニ(Carla Bruni)さん(39)は、ロックスターや知識人らと交際してきた元スーパーモデルで、裕福な家庭に生まれ育った女性だ。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は8日、過去にミック・ジャガー(Mick Jagger)や、エリック・クラプトン(Eric Clapton)との交際がうわさされたブルーニさんとの結婚の意思があることを明らかにした。ブルーニさんは、自身の恋愛事情を語ることにためらいはなく、一夫一婦制は信じていないとも明言している。2007年2月、ブルーニさんは女性誌に対して、「私は(男性の)調教師で、ネコで、イタリア人よ。一夫一婦制なんて退屈。わたしは自分自身に対して誠実な人間なの。ときには一夫一婦制を取ることもあるけれど、一妻多夫や一夫多妻制のほうがいいわ」と語っている。

 サルコジ大統領は、前夫人セシリア(Cecilia)さんと離婚を発表した1か月後の11月、あるパーティーでブルーニさんと出会った。ブルーニさんは政治的には左派で、右派のサルコジ大統領の夫人にはなりそうもない人物だ。2007年、英紙のインタビューでブルーニさんは、5月の大統領選ではサルコジ大統領の対立候補だったセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)氏に投票したいと語り、フランス国内に住む外国人が家族を呼び寄せる際に血縁確認のためのDNA鑑定を義務づける法案に反対する嘆願書に署名したとも語っていた。

 イタリア、トリノ(Turin)で、タイヤ製造業を行う裕福な家庭に生まれたブルーニさんは、モデルとして成功し世界で最も稼ぐスーパーモデルの1人となった。その後音楽業界にも進出した。ある業界誌によれば、1990年代後半のブルーニさんの年収は、クラウディア・シファー(Claudia Schiffer)やナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)とほぼ同じ700万ドル(約7億6000万円)以上で、ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)などのモデルを務めていた。

 ブルーニさんには哲学者Raphael Enthoven氏との間に、6歳の息子がいる。Enthoven氏の前妻は2004年に、ブルーニさんをモデルにした主人公の小説を出版。この主人公のことを「美しくて人工的、殺人者の目を持ち、その表情はまるで蝋人形のように動かない」と表現した。それに対し、ブルーニさんは「年増のおばさんよりも、捕食者と言われるほうがいい」と反撃している。

 家族構成は、兄と姉がいるが、兄は2006年にがんで死亡、姉のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(Valeria Bruni Tedeschi)さんは女優だ。父であるアルベルト・ブルーニ・テデスキ(Alberto Bruni Tedeschi)氏はクラシックの作曲家、舞台演出家、実業家の3役をこなし、母であるマリサ・ボリーニ(Marysa Borini)さんはピアニストで、女優としても活動している。一家は、極左組織「赤い旅団(Red Brigades)」が裕福な市民を狙った誘拐事件を繰り返すようになったころ、フランスへ移り住んだ。ブルーニさんは当時5歳だった。

 一家のフランス移住後、ブルーニさんはスイスの学校で学び、のちにパリ(Paris)で芸術を学んだ。卒業後はファッション業界に入り、1999年には、フランス人歌手ジュリアン・クレール(Julien Clerc)のアルバムに歌詞を提供し、音楽業界にも進出した。2002年には100万枚を売り上げることとなる自身のデビューアルバム『風のうわさ(Quelqu'un m'a dit)』をリリースした。『ノー・プロミセズ(No Promises)』と題されたセカンドアルバムは、2007年1月に発表された。英語で歌い、歌詞はアイルランドの詩人ウィリアム・イエーツ(William Butler Yeats)や米詩人エミリー・ディキンソン(Emily Dickinson)の作品から引用しているが、前作ほどのヒットにはなっていない。(c)AFP

  • カーラ・ブルーニ公式ウェブサイト(日本語)