【12月20日 AFP】2008年8月8日から24日まで開催される北京五輪は、大会運営などについては高く評価されている半面、まだまだ改善すべき分野もあるようだ。開催まであと7か月となった現時点での評判をまとめてみた。

プラス評価を受けた項目

■会場
 主催者は28種目に対して37会場を準備しており、各方面から高い評価を得ている。特筆すべきは、入り組んだ鉄骨構造が目を引く「国家体育場(National Stadium)」(愛称「鳥の巣、Bird's Nest」)と、気泡シートのような青い薄膜の外観から「水立方(Water Cube)」とも呼ばれる「国家水泳センター(National Aquatics Centre)」だ。

■大会運営
 会場の性能を試すため、2007年中に27のテストイベントが実施され、五輪開催までにさらに19のテストイベントが行われる。国際五輪委員会(International Olympic CommitteeIOC)はテストイベントを「大成功」と評価した。

■マーケティング
 世界で最も急成長を遂げている国で開催される北京五輪には、国内外の企業の参加希望が後を絶たず、営業面では過去最高の収益をもたらすと期待されている。

■都市基盤
 410億ドル(約4兆6000億円)を投じた大規模事業により、北京の道路、鉄道、空港システムが改善されたほか、汚水処理やエネルギー供給など必要不可欠な基盤も改善された。新たに飲食店やオペラハウス「国家大劇院」などの劇場が誕生したことで、社会生活も潤いを取り戻している。

マイナス評価を受けた項目

■大気汚染
 大気環境は五輪成功の妨げとなる。IOCのジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長は、耐久レースなどいくつかの競技は延期の可能性もあると述べた。

■チケット販売
 五輪チケットの電子予約システムが10月にダウンし、チケット販売が6週間遅れたことについて、主催者はシステムの需要を過小評価していたと述べた。チケット販売責任者は解雇された。

■聖火リレー
 中国政府は4月にテレビの生放送で、聖火リレーのコースを発表した。コースの一部には台湾も含まれていたが、台湾側は合意していないと反発。交渉でも双方の溝は埋まらず、最終版から台湾は外された。

■人権問題
 人権団体は、中国政府が人権問題の改善と報道の自由を約束したが守っていないとして非難している。1月には外国人記者に対する取材規制が解除されたが、北京市外を中心に、当局側が規制解除を無視することも多いという。(c)AFP