【12月16日 AFP】ニュージーランドで、新しく開発されたミミズを利用したトイレの排せつ物処理システムについて、視察に来たオークランド(Auckland)当局の担当者が「ミミズの精神衛生」に懸念を示したため、専門家のお墨付きをもらうはめになった。地元紙サンデー・スタータイムズ(Sunday Star Times)紙が16日報じた。

 Coll Bellさんは汚水処理タンクの代りにミミズを利用したコンポストを開発した。ミミズのコロニーが固形の排出物をろ過し、液体は地下の排水溝に流れる仕組み。視察に来た当局担当者は、ミミズの精神面への影響について専門家から報告を受けるよう命じた。

 Bellさんは同紙に対し「担当者はミミズが人間の排出物を処理するという不当な扱いを受けており、それがミミズに精神的影響を与えると感じたんだ」と語った。「わたしが『ではどうしましょう?』と尋ねたら、担当者は『適切な資格を有した人物にミミズの幸福を保証してもらわなければならない』と言った」

 そこでミミズ養殖の専門家Patricia Naiduさんが、ミミズの健康状態は良好で幸せいっぱいで繁殖していると太鼓判を押したため、当局の懸念は払しょくされた。

 当局の報道官は同紙に対し、このシステムはキャンプ場で使用されるためミミズに対する懸念は正当化されるとした。キャンプ場では毎年2週間だけ大量に下水が発生する。(c)AFP