【12月6日 AFP】(一部更新)数百万人に上るタイ人は、高級雑誌やテレビ番組からファッションの流行を取り入れていない。5日に80歳を迎えたプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の服装をまねるのが流行なのだ。

■月曜日の「制服」は黄色

 この1年以上、タイ全土で、プミポン国王が生まれた月曜日のシンボルカラーとなっている黄色のシャツやジャケットが非公式のタイの制服として人々に受け入れられている。

 この流行は昨年、プミポン国王の在位60周年の直前に始まり、以来、政治家やニュースキャスター、また事務員や露天商に至るまで、国王に対する信仰心から毎週月曜に黄色のものを着用するようになった。

 これは10月、脳虚血症状が確認され4週間入院した国王が11月に退院するまで続いていた。

■最新の流行色は「国王の健康の象徴」のピンク

 国王は退院の際、ピンク色のブレザーと黒のズボン姿で病院から現れたが、これにより今度は一夜にしてピンク色が大流行、現在では国王の健康の象徴とみなされている。

 プミポン国王は4日午後、国民に向けた年次演説で、「退院の日、私はピンクの服を着たが、国民はそれを見て胸を躍らせた。私は年老いたが、つまらない格好はしたくない」とし、さらに「私がずっと制服を着ていたらつまらないだろう。わたしは黄色やピンクなどほかの色のものも着なくてはならない」と述べた。

■1か月でピンク色のTシャツ4万枚が売れる

 ピンク色はタイのファッションシーンに旋風を巻き起こしたようだ。

 ピンクのポロシャツを3枚買い、娘にも1枚買ったというバンコク在住の68歳の女性は、「年内は毎日ピンクのシャツを着るつもり。来年も着続けるわ。ピンクの服は、国王に幸福を与えるものだから。できるだけ長く国王が健康でいられるよう願っているの」と話した。

 マハ・チャクリ・シリントーン(Maha Chakri Sirindhorn)王女が経営するブランドPhufaのショップで売られているピンクのシャツが特に人気で、新しく入荷するといつも長蛇の列ができるほどだ。

 バンコクにある2店舗では、11月だけでピンクのTシャツ4万枚が売れた。国王の誕生日である5日には、さらに2万枚が店頭に並ぶ予定だ。 (c)AFP/Nareerat Wiriyapong