【11月27日 AFP】フィンランド北部ラップランド(Lapland)地方のサンタクロースは今年のクリスマスシーズン、世界各地から約12万人の観光客を迎えることになる。地元観光局が26日明らかにした。

 それによると、今週末には、冬の大自然、サンタのワークショップ、トナカイ、イヌぞりツアー、オーロラ鑑賞などを楽しみに観光客が到着し始めるという。

 観光客は、主に英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、日本から、定期便やチャーター列車に乗り、580ものガイド付きツアーで訪れる。同地に宿泊する観光客の4分の1を英国人が、3分の1をフィンランド人が占める。

 中でも、北極圏内に空港がある同地域の小都市ロバニエミ(Rovaniemi)は、サンタの「公式」住居がある町を自称しており、約5万人の観光客が249便のチャーター機で訪れると予想している。

 ラップランドの冬の観光業は、「サンタの家」がある町として世界的に知られるようになったロバニエミのおかげで、過去10年間で急成長した。同じように「サンタの家」があると自称するグリーンランドやスウェーデン、ノルウェーの観光業に損害を与えているほどだ。

 ラップランドの失業率は15%に達しており、地元住民が職を求めて都会に移るケースが増えている。そうした中、観光業は2006年に1億4400万ユーロ(約230億円)を創出し、主な収入源の1つになっている。

 とはいえロバニエミも近年は、200キロ北にある人口2000人の小さな町エノンテキオ(Enontekioe)と、激しい観光客争奪戦を展開している。エノンテキオも「サンタの家」がある町を自称し、英国のツアー会社と提携して観光業に力を注いでいる。

 エノンテキオは今シーズン1万人の観光客を見込んでいるが、その多くは2、3時間の短時間滞在だ。英国のツアー会社が国内12空港から、日帰りの往復便を提供している。(c)AFP