【11月20日 AFP】米国人の読書に費やす時間は以前より減少し、読解能力も低下していることが19日、国立芸術基金(National Endowment for the ArtsNEA)の調べで分かった。

 NEAは、さまざまな年齢層の読書習慣や読解能力に関する40以上の研究データを照合し、「読むべきか読まざるべきか(To Read or Not To Read)」と題された報告書を発表した。

 詩人であり、受賞経験を持つNEAのダナ・ジオイア(Dana Gioia)会長は、「読書時間の減少と読解能力の低下は驚くべきもので、米国の文化や経済、日常生活、子どもの学業成績にも望ましくない影響を及ぼしている」と指摘した。

 NEAの調査結果によると、15歳の学生を対象とした読解テストで米国は平均点が先進31か国中15位で、ポーランド、韓国、フランス、カナダなどに劣った。

 また15-24歳の米国民は、平均で1日に約2時間テレビを見るのに対し、読書には7分しか費やしていないという。最も教養があるとされる大学院修了者の中でも、散文読解力が「優秀」と位置づけられた割合は1992年から2003年の間に20%減少した。
 
 雇用主のうち38%が、学校中退者は基本的な読解力に欠けていると判断。一方、熱心な読書家には、スポーツや文化イベント、ボランティアなどの公共行事に参加したり、トレーニングなどの個人活動を積極的に行う人が多いことも分かった。(c)AFP