【11月19日 AFP】「第2次大戦中のドイツの潜水艦がデジタル放送のデコーダー奪取を目的に英国に攻めてきた」――この話で、「ウソつきジョニー」ことジョン・グレアム(John Graham、69)さんは「世界一のうそつき」の名誉を手にいれた。

 英国・湖水地方(Lake District)のサントン・ブリッジ(Santon Bridge)にあるパブ、ブリッジ・イン(Bridge Inn)で開催された毎年恒例の「うそつき大会」で、グレアムさんは、前月に全英で初めてアナログ放送からデジタル放送に切り替わった近隣の町ホワイトヘーブン(Whitehaven)を奇襲しようとしていたU・ボート(U-boat)に遭遇したと主張した。

 過去5回この大会で優勝し、全長2.7メートルにもなるタラを釣り上げたなどとも語ったグレアムさんは、BBCラジオの取材に対しても「本当の話さ」とうそぶいた。

 この大会は、19世紀に同地方に実在したパブのオーナー、ウィル・リトソン(Will Ritson)さんへの敬意を表して開催されるようになったもので、現在では世界中から参加者や観光客が集まる。リトソンさんは、湖水地方ではカブが成長しすぎてその中に人間が住めるようになったなどという荒唐無稽(むけい)な冗談話をしては、常連客を楽しませていたという。

 大会参加者に与えられる持ち時間は5分間で、小道具などの使用は認められていない。最近の優勝者の話には、「山地が多い湖水地方の地形は、氷河や火山活動によるのではなく、巨大なモグラとウナギが造ったもの」だという話や、「人魚の養殖場を発見した」という話がある。

 なお、政治家と弁護士は「うそをつく技術が熟練しすぎている」との理由で、大会への参加資格がない。(c)AFP