【8月28日 AFP】(一部更新)ロンドン(London)西部で26、27両日、夏の終わりを彩る恒例のノッティングヒル・カーニバル(Notting Hill Carnival)が開かれた。アフロカリビアン音楽に合わせた踊りの列が通りを埋め尽くし、さまざまな地域団体が「最優秀賞」を目指し、華やかな装飾を施した山車(だし)を繰り出した。

 このカーニバルは、1959年、英国で前年に発生した数々の人種差別的事件に対し、第二次世界大戦後に旧植民地から移民した人々が、団結し抗議の意を示すために始めた。

 その後、ロンドン各地で開催されていたものが、1964年に現在のノッティングヒルに集結した。

 毎年8月後半の日曜と翌日の祝日に開かれ、現在は子供の日と大人の日の2部構成になっている。
 
 今年のテーマは奴隷貿易の廃止から200年を記念して「すべてを解放しよう(Set All Free)」とされた。

 主催のロンドン・ノッティングヒル・カーニバル・カンパニー(London Notting Hill Carnival Company)代表、クリス・ムラード(Chris Mullard)教授は「自由、平等、機会、解放というカーニバルの趣旨をこんなに大勢の人が理解してくれているのはすばらしいこと」と語った。

 ただ、カーニバルにまつわる暴力事件も後を絶たない。今も人々の記憶に残る1976年の暴動や、2000年に2人が殺害されるなどの事件がこれまで発生している。

 今年、ロンドンの警察当局は警備のために1万1000人を動員。地下鉄駅では金属探知機を使ってナイフや銃の所持品検査を行った。

 2日間の来場者は警察の発表によると計200万人で、主催者側の予想していた150万人を大きく上回った。(c)AFP