【8月23日 AFP】「米国の高齢者は積極的な性生活を送っている」-23日に発表された米国立衛生研究所(National Institutes of HealthNIH)による全国調査の報告書で明らかにされた。

「米国の高齢者の大半は性的に活発で、多くが性行為に関する何かしらの厄介な問題を抱えているにもかかわらず、性行為を生活の重要な一部ととらえている」という。

 調査によると50-70歳では性欲はほとんど衰えず、多くの男女が70代、80代まで性行為を継続していることが分かった。

 研究調査はシカゴ大学(University of Chicago)の研究チームが、米国内の57歳から85歳の男女3005人を対象に実施した。

 調査に参加した国立老化研究所(National Institute on AgingNIA)のリチャード・スズマン(Richard Suzman)氏は「これまで高齢者とは関係が薄いとみなされていた性行為への活力と関心は、高齢になっても持続することが研究で分かった」とする。

 57-64歳では4分の3近くが、65-74歳では半数超が、75-85歳では4分の1が性的に活発だと回答。男女を比較すると、男性の方が女性より性行為に積極的であることが分かった。

 同研究では、関節炎、糖尿病、高血圧など性行為にまつわる健康問題についても取り上げた。積極的な性生活を送るためには年齢よりむしろ、健康でいることが大切なのだという。

 新たにエイズウイルス(HIV)に感染していると診断された米国人の約15%が高齢者であることが判明したことから、高齢者向けの性教育も促進されそうだ。

 また、性的に活発な高齢者の約半数が、少なくとも1つの「厄介な」性的問題を抱えているという。性的に活発な男性の3分の1以上が勃起不全、女性の43%が性欲の低さを挙げている。

 米国では年間10億ドル(約1200億円)以上が男性の性機能向上薬に費やされており、調査対象となった男性の14%が製薬を利用していると回答した。(c)AFP