【6月17日 AFP】ワイン愛好家が世界的に増加する中、世界最大のワイン見本市「ヴィネクスポ(Vinexpo)」が18日、ボルドー(Bordeaux)で開幕する。

■需要増で生産余剰は解消へ

 ワイン愛好家の増加傾向は米国のほか、中国、ロシア、ブラジル、インドといった新興市場で顕著だが、ヴィネクスポにとっての安心材料はそれだけではない。世界的なワインの生産余剰が間もなく解消され、価格が上昇すると見込まれているのだ。

 英国の調査会社International Wine and Spirit RecordIWSR)の調べによると、ワインの販売量は2010年までに世界全体で45%増、生産量は41%増になると予測される。 この調査結果について、ヴィネクスポのRobert BeynatCEOは、「重要な調査結果だ。需要が供給を上回ることを意味するとともに、ワインの生産余剰が解消されること意味している」と語る。

 現在、全世界でワインの余剰在庫は3000万ヘクトリットルに達しているが、Beynat氏は販売量の増加により在庫が吸い上げられると見ており、改革の一環として欧州連合(EU)が集中的に実施しているワインの「取り除き」に対して警告を発している。

 IWSRの調査結果では、2010年にはワイン消費量の国別ランキングで米国が第1位となるほか、第10位と第8位に中国とロシアがそれぞれランクインすると予測されている。同調査によれば、米国人は2010年までに全世界のワイン消費量の12.3%にあたる2730万ヘクトリットルを消費するとみられ、金額に換算すると227億5000万ドル(約2兆8080億円)になる。なお現在、米国のワイン消費量は、イタリア、フランスに続く第3位だ。

 21日まで開催されるヴィネクスポの会期中には、「責任ある飲酒」「ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興市場の消費者へのワインの提供」「ワインツーリズムの発展」のほか、依然として決着をみていない「コルク対ねじぶた」といったテーマについても掘り下げた議論が行われる予定だ。

 今回のヴィネクスポの注目すべき特徴は、2005年のヴィネクスポではほとんど見られなかった、有機農業やビオディナミ農法により生産されたワインの増加だ。また、「環境に優しい包装」「炭酸ガス放出量削減」「ブドウ園およびワイン生産の持続可能な発展」といった問題にも注目する必要がある。

■過去の見本市からの「2日酔い」

 ヴィネクスポは2年に1度開催されているが、過去2回の見本市で発生した出来事が、いまだに波紋を呼んでいる。

 2003年、フランス全土がかつてない猛暑に見舞われる中、「新世界」のワインが展示されていた臨時会場の空調設備が故障し、テイスティングや商談が実質的に不可能な状態に陥った。

 今年のヴィネクスポへは、2003年に被害を受けた全参加者が20%の割引を提示された上で招請された。ニュージーランド、オーストラリアおよび南アフリカの個人生産者らは参加する予定だが、ニュージーランドワイン生産者協議会(New Zealand Winegrowers)とオーストラリア・ワイン・ブランデー公社(Australian Wine and Brandy CorporationAWBC)などの団体は参加を見送った。

 Wines of South AfricaWOSA) は、ヴィネクスポのJean-Marie Chadronnier社長の訪問を受けた後、割引の申し出に応じた。だが、WOSAのDalene Steyn氏は「難しい判断だった」と述べ、「ヴィネクスポのサービスに対する姿勢は、ドイツのProwein、ロンドンのInternational Wine and Spirits Fairといった見本市に比べて劣っている」と指摘した。

 2005年の見本市からのもう1つの「2日酔い」は、世界最大規模のワインメーカー、米E&Jガロ(E&J Gallo Winery)の排除だ。フランスのシャンパンメーカーらが「Andre地方と何ら関係を持たないGalloが、『Andre Champagne』の名称でスパークリングワイン販売している」とし、同社を特別エリアの「Club des Marques」から閉め出したのだ。

 今年のヴィネクスポでは「Club des Marques」は廃止され、新たな特別エリアが設定される。 Galloは、テタンジェ(Taittinger)、ランソン(Lanson)、バロン・フィリップ・ドゥ・ロスシルド(Baron Philippe de Rothschild)といった有名メーカー12社とともにこの新エリアに出展する。

■会場面積は過去最大の4万1000平方メートル

 今回の会場面積は、同見本市が初めて開催された1981年以来最大の4万1000平方メートル。地元のホテルやレストランは、世界144か国からボルドーを訪れる2400の出展者および4万5000人の見学者により、膨大な経済的恩恵を受けることとなる。

 同見本市は18日、アラン・ジュペ(Alain Juppe)環境相および、クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)農業・漁業相により、正式に開会される。(c)AFP/Sophie Kevany