【6月6日 AFP】9月にシドニーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に臨む21人の大統領、首相らは、大きな心配のタネに直面している。フォーラムの懇談会では、団体写真のために各国首脳が開催国の伝統衣装を着る決まりになっているからだ。

 何年にもわたって米国、ロシア、中国の大統領そして開催国の地方首脳陣を含む要人たちは、鮮やかなアジアのシルク、チリのポンチョやカナダの革ジャケットなどを着て写真に収まってきた。

■「典型的な」オーストラリアの服装とは?

 ジョン・ハワード(John Howard)豪首相は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米国大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領、中国の胡錦涛(Hu Jintao)国家主席といった人物が「オーストラリア風にみえる」服装にすると約束。

APEC特別委員会のアラン・ヘンダーソン(Alan Henderson)氏は「服装にかかる予算は“手頃な”ものになるだろう」とコメント。現在ハワード首相は妻ジャネット(Janette)さんと共に民族衣装の最終デザインを見直しているが、その過程は秘密に包まれているとしている。

■「水着」で会議?!

 一般的な推測としては、オーストラリア版カウボーイハット「アクーブラ帽子」と映画『The Man from Snowy River』で有名になった「オイルスキンコート」になるだろうとのこと。

 地元紙の投稿欄では、オーストラリアの「典型的」な衣装である「バジー・スマグラー(budgie smugglers)」が候補に掲げられた。「バジー・スマグラー」とは、面積が小さくぴったりとフィットした男性用水着の名称。サーファーなど、ビーチを愛する国民が多いオーストラリアで「バジー・スマグラー」はその“手頃な”価格ゆえに広く愛用されている。

 この意見が採用されれば、ニュージーランドのヘレン・クラーク(Helen Clarke)首相やフィリピンのグロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)大統領ら女性元首には、ビキニの着用が許可されることだろう。

 しかし、そんな風刺漫画家達の楽しみにとは裏腹に、おそらく「オイルスキンコート」に決定するだろうとの見込みだ。(c)AFP