【6月1日 AFP】「フランスのスパイダーマン」の異名を持つアラン・ロベール(Alain Robert)さん(45)が上海(Shanghai)で5月31日、中国一の高さを誇る「金茂大厦(Jin Mao Tower)」ビルの登頂に挑戦したところ、現地警察当局に身柄を拘束された。警察当局とフランス領事館が1日、明らかにした。

 ロベールさんが挑んだ「金茂大厦」は高さ430メートルの高層ビル。命綱をつけずにビルをよじ登るロベールさんの姿を一目見ようと大勢の人々が押し寄せ、交通を遮断する事態に発展。地上に下りてきたロベールさんを、警察当局が拘束した。

 上海のフランス領事館のAnne Denis-Blanchardon副総領事が語ったところによると、「(ロベールさんは)国外退去処分は免れたが5日間拘留される見込みだ」という。また、ロベールさんに対する処分の軽減のほか、同氏との面会を要求していることも明かした。

 中国公安部の報道官も逮捕の事実を認め、ロベールさんに対し5日間の「行政拘禁」処分を下したと語った。罪状については、ロベールさんが「無許可でビルに登ったこと」、「大挙して押し寄せる大衆による交通渋滞の原因をつくったこと」、その結果「金茂大厦ビルの通常業務への支障をきたしたこと」とする声明文を発表した。

 国営新華社通信によると、ロバートさんはスパイダーマンの衣装を身につけ、安全器具を一切つけずに88階建てのビルを1階25秒のペースで登りきったという。

 ロベールさんがビルをよじ登る様子や逮捕時の映像はインターネットで流され、中国国内を沸かせた。

 1994年以降世界各地のビルに挑み続けているロベールさん自身のウェブサイトによると、身柄拘束は頻繁にあることだという。

 1998年に東京タワーに登った際は、禁固20日の刑が下されたが、フランス大使の要請により5日間で解放された。また、今年3月にもマレーシアで88階建てのペトロナス・ツイン・タワー(Petronas Twin Towers)への「登頂」を試みたが、60階に達したところで逮捕されている。(c)AFP