【マドリード/スペイン 13日 AFP】道路での飲酒が禁止されているスペインで、週末に何百人もの若者が中心街繰り出し、朝まで道路で飲酒し騒ぐ事態が続いている。これにより近隣住民は、眠れないなどの被害を受けている。

 「玄関先のあの臭いと空き瓶の山にはもううんざり」と語るのはマドリード(Madrid)Justicia地区のJose Nicolau会長。飲食店が多いこの地域は昔から酔客を惹きつけてきた。

 スペイン政府は2002年、「ボテヨン(botellon)」と呼ばれる若者による野外パーティの抑制を目的に、道路での飲酒と午後10時以降の酒類販売を違法とした。ボテヨンとは10~20代前半の若者がスーパーマーケットで購入したソフトドリンクや酒類を屋外で飲んで騒ぎ、その後におびただしい数の空き瓶(botella)を残すことからついた名前だ。こうした騒ぎが今、スペイン各地で頻発している。

 当局は週末に大きな広場を閉鎖するなどの対策をとっているが、若者はすぐに別の場所に移動してしまい、取り締まりは進展していない。5月1日と2日に緊張はピークに達し、ついに警官隊が動員された。

■夏控え、パトロール強化や妥協策なども

 1日、ゴミ箱の放火をきっかけにマドリード中心部の広場で騒動が起き、商店のガラスが割られたほか、清掃しようとした職員に石やガラス瓶が投げつけられた。盾や催涙ガスを装備した警官隊が出動し、ゴム弾を発射して群衆を排除する事態に発展した。

 翌2日は1808年5月2日にマドリード市民がナポレオン軍に抵抗したことを記念する祝日で、この歴史的事件を記念するドス・デ・マジョ(Dos de Mayo、「5月2日」の意)広場で再び同様の騒ぎが起きた。この広場は1978年に右翼独裁者フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)が死去した後、ファッション、演劇、映画、ナイトライフの分野で爆発的に新しい動きが起こった「movida」と呼ばれるムーブメントの中心でもあった。

 両夜とも救急チームが野外病院を開き、左派的な論調で知られる新聞「エル・パイス(El Pais)」は、この地域を「戦闘地域」になぞらえた。

 5月27日の選挙で再選を目指す保守派のアルベルト・ルイス・ガジャルドン(Alberto Ruiz Gallardon)市長は、警察の介入は「適切で、行き過ぎはなかった」と述べた。

 ボテヨンが増える夏を控え、市当局は騒ぎを防ぐために週末のパトロール強化を決定。一方、南部のコルドバ(Cordoba)やグラナダ(Granada)は、中心部から離れた場所にボテヨンを許可する区域を設定するなど、妥協策を導入した都市もある。

 写真は南部マラガ(Malaga)で酒を飲んで騒ぐ若者(2006年3月17日撮影)。 (c)AFP/JOSE LUIS ROCA