【サンフランシスコ/米国 14日 AFP】米陸軍はオンラインゲームサイトに参入し、インターネットで対戦型ゲームを楽しむ若者を対象にした新兵の採用を目指す。

■人気ゲームが無料で楽しめる

 米陸軍がおよそ2百万ドル(約2億3800万円)を投じて契約を結んだのは、オンライン対戦ゲームの参加者が集う有名ゲームサイト「Global Gaming League、(GGL)」。この契約により、陸軍は同サイト内で、「陸軍チャンネル」の運用を行うことになった。GGLの陸軍チャンネルは6月上旬に開設される。
 
 このゲームサイトでは、陸軍の教練マニュアルに沿って作られ、米陸軍兵士になりきってプレーすることができるシューティング・ゲームが同チャンネルの呼び物となる。America's Armyと呼ばれるこのゲームは、5年ほど前にリリースされたもので、このジャンルでは人気度トップ10にランクインされる人気を誇る。

 プレイヤーは同チャンネルでのプレーに勝つと昇進し、トッププレーヤーは「Elite Forces」とよばれる精鋭部隊のメンバーだけで行われる優勝決定戦に進み、勝者は賞金を得ることができる。

 陸軍チャンネルでのゲームに費用はかからないが、プレーヤー登録をすると「別途の陸軍からの連絡」を受けることとなる。陸軍はこのオンラインゲーム業界への進出で、17歳から24歳の年齢層の新兵採用を計画するしている。

■デジタル世代の取り込みを計る

 「米陸軍はゲームのプレーヤーと、そのプレーヤーが得意とする分野で、コンタクトを持つ機会を得ることが出来る」と、このプロジェクトを進めてきた広告大手マッキャン・ワールドグループ(McCann World Group)のAnders Ekman副社長は話す。

 Ekman副社長はAFPの取材に、「陸軍にとって、デジタル世代のマーケティングはまさに大きな未来」であり、「これからも拡大をする」と語る。陸軍専用チャンネルの将来は、陸軍の好感度アップと新兵採用の分野で、「このプロジェクトは必ず良い結果をもたらす」と話す。

 また、「陸軍は、高い人気を博したゲームの効果をさらに利用して、これまでにも増して、難易度の高いゲームを求めるプレーヤーを取り込みたい」との方針であり、Ekman副社長は陸軍とGGLのさらなる協力についても語った。

 陸軍はまた、インターネット文化に対応したキャンペーンの一環として、大規模なコミュニティー・サイトMySpaceでも陸軍の採用専用ページを立ち上げる。

 写真は、ロサンゼルスで開催されたゲーム・ソフトの展示会で公開されたAmerica's Armyの広告とキャンペーンに参加する兵士たち。(2002年5月22日撮影)(c)AFP/MIKE NELSON