写真はクアラルンプール郊外の博物館で、「ikan duyung(人魚)」のミイラを見る訪問者。(2006年7月11日撮影)(c)AFP/TENGKU BAHAR
【クアラルンプール/マレーシア 13日 AFP】西部ヌグリスンビラン州(Negri Sembilan)の州立博物館は13日、かねてから開催中止を要請されていた人気展示「超自然生物博」について、イスラム教の理念に基づく法学裁定(ファトワ)が下されたことを受け、やむなく中止を決定した。地元メディアが報じた。
亡霊や精霊を主要展示テーマに掲げた「超自然生物博」は、3月10日から5月31日までの予定で開催されており、すでに数千人の観覧者数が訪れたという。
これまで同博物館の学芸員は、「霊の存在を奨励するような展覧会は、反イスラム的だ」とする批判が高まる中、芸術相や法学者から開催中止を求められながらも、断固としてこれを拒否してきた。
しかし、最終的には全国ファトワ評議会(National Fatwa Council)による裁定を受け、中止を余儀なくされた。博物館の理事長を兼任する同州副大臣は、「この中止決定は、評議会の裁定に則ったものである」と語った。
評議会は12日、イスラム教に反するとして、「亡霊や悪霊を含む超自然生物を題材とした展覧会の開催を禁止する」との裁定を下したとされる。
マレー語紙「ブリタ・ハリアン(Berita Harian)」は13日、評議会議長の談話として、「超自然生物は人智の範疇を超えるものである。イスラム教徒の間に、そうした超自然的、迷信的思想が広まるのは望ましくない」と報じた。
同議長はさらに、今回の評議会決定について、国内各州政府に宗教戒律として公示するよう要請したという。また、「こうした幽霊を題材にした展覧会については、州政府のみが取り締まり権限を有する」とも述べている。
かつてマレーシア人は、超自然的なものに傾倒する傾向を持っていた。特に農村部では、神話や迷信が広く伝えられ、霊の存在、あるいは黒魔術といったものを信じる人々も多かったという。
そうした超自然的なものへの信仰は、16世紀の専制君主時代に最高潮に達し、やがてイスラム教の拡大が進むにつれて廃れていったのである。
写真はクアラルンプール郊外の博物館で、「ikan duyung(人魚)」のミイラを見る訪問者。(2006年7月11日撮影)(c)AFP/TENGKU BAHAR
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