【ベルリン/ドイツ 23日 AFP】一時は安楽死か…といわれたホッキョクグマの「Knutくん」が、ベルリン動物園(Berlin Zoo)で一般公開され、元気な姿を披露した。

 数十人のカメラマンらがシャッターを切る中、生後3か月のKnutくんは、注目を浴びても特に興奮するでもなくマイペース。飼育室内を転げ回り、ときには飼育係のトーマス・ドーフライン(Thomas Doerflein)さんのブーツに鼻をこすりつけたり、池に顔を突っ込んだりと、やんちゃ振りを発揮していた。

 Knutくんは、2006年12月に双子の兄弟と共に誕生したが、母グマが飼育を放棄。兄弟グマは残念ながら死んでしまったが、ドーフラインさんがKnutに哺乳瓶で授乳を試み、無事にここまで成長。ときにはギターでエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley) の曲を聴かせることもあるという。現在、体重は9キロだ。

 ホッキョクグマの人工飼育が難しいことから、ある動物愛護活動家は安楽死させるべきだと主張するなど、国内メディアなどで大きく取り上げられ注目を浴びていた。今も、ホッキョクグマの人工飼育が果たして可能なのかどうか、激しい議論は続いているものの、動物園側は「絶対に安楽死などさせない」と語っている。

 現在、動物園では、Knutくんのビデオポッドキャスティングを行っているほか、Knutくんのテーマソングも制作。世界的に有名な写真家アニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)氏によるポートレート撮影も行われ、作品は今後、環境保護キャンペーン用に使用される。

 写真は同日、一般公開されたKnutくん。(c)AFP/MARCUS BRANDT