写真は10日、ソウルで行われたチョンさんの追悼式に飾られた遺影。(c)AFP/LIM DONG-EUI
【ソウル/韓国 11日 AFP】過去2週間で、女優のチョン・ダビン(Jeong Da-Bin)さんと歌手のユニ(Yuni)さんが相次いで自殺し、韓国では自殺率のさらなる上昇が懸念されている。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、韓国は自殺率ワースト1を記録している。
■酷似する2人の女性タレントの死、後追い自殺の懸念も
警察の10日の発表によると、チョンさんは交際相手の男性が住むソウルの家の浴室で、首をつって死んでいるところを発見された。仕事の依頼が減っていることを苦に自殺したとみられる。
1月21日には、ユニさんが仁川(Incheon)の自宅で首をつって死んでいるところを発見されており、3枚目のアルバムリリースを待ち望んでいたファンに大きなショックを与えた。2人のケースは驚くほど似通っている。
自殺抑止のための電話相談を行っているLifeline KoreaのNa Sun-Young氏は若者たちによる、後追い自殺を懸念している。
「ユニさんが亡くなった後、自殺を考える多くの若者から電話相談を受けた。相談者は、ユニさんのような美人でさえ生きることに耐えられず自殺してしまうのだから、自分も死ぬしかないと考えてしまうのです」
Young氏は、2005年3月にも、映画女優のイ・ウンジュ(Lee Eun-Joo)が自殺した後に後追い自殺が相次いだと指摘した。
■20代男性の死亡原因の1位は自殺
韓国での自殺率は10年間で2倍以上に膨れ上がった。公式な記録によると、1995年は10万人中、11.8人だった自殺者数は、2005年には26.1人に増加。平均すると一日に約38人が自殺している計算になるという。
高い自殺率への懸念は韓国の議会にも波及し、潜在的な自殺志願者へのカウンセリングや治療に関する法案が提出された。
韓国青少年開発院(Korea Institute for Youth Development)のOh Seung-Geun研究員によると、自殺は20代男性の死亡原因の1位を占める。ただし多くのケースが表に出ていないという。現実は報道よりも深刻かもしれない」とOh研究員は語る。
■若者の間では、「自殺は権利」と考える風潮も
韓国統計局(National Statistics Office)は、自殺率増加の原因は1997年の経済危機による影響と見ている。
また、専門家らは、若者が自殺者を賛美するあまり、自殺に対する抵抗が無くなっているとも指摘している。著名人の自殺をメディアがこぞって取り上げることも、自殺増加の一因となっているという。「このような雰囲気では、悲しみや同情が理性を凌駕してしまう」と前出のOh研究員も述べている。多くの若者たちが、「自殺を権利と考えている」との調査結果さえあるというのだ。
ユニさんとチョンさんはインターネット上で中傷を受けていたことから、インターネット上での有名人への中傷被害にも注目が集まっている。「多くのインターネット利用者が匿名性を利用して、セックススキャンダルや美容整形のうわさなど、悪質な誹謗中傷を投稿している。状況を打開する対策を講じなければならない」とOh氏は警鐘を鳴らしている。
写真は10日、ソウルで行われたチョンさんの追悼式に飾られた遺影。(c)AFP/LIM DONG-EUI




