【ロンドン/英国 9日 AFP】ダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)の死因究明審問が行われているさなか、過熱報道の渦中にあるウィリアム王子(Prince William、24)の恋人、ケイト・ミドルトン(Kate Middleton)さんが、ダイアナ元妃と同じ運命をたどるのではないかとの不安が高まっている。

 ウィリアム王子の最有力の結婚相手と目されているケイトさんは連日、ロンドンの自宅にパパラッチが大挙して押し寄せるなど、執拗(しつよう)な追跡を受けている。ダイアナ元妃が、1981年にチャールズ皇太子(Prince Charles)と結婚する直前の状況、そして1997年にパリで自動車事故死した直前の状況に似ていることから、ケイトさんが受けるストレスや身の安全を心配する声が出始めている。

■高まる身辺警護の必要性への声

 ダイアナ元妃の死因究明審問が再開された8日、王室警護隊は「ケイトさんの身辺警護を固めた」との報道を否定した。しかし周辺からは、1997年のダイアナ元妃の事故死を招いたとされるパパラッチの執拗な追跡からケイトさんを保護するため、何らかの措置をとるべきだとの声が上がっている。

「ガーディアン(Guardian)」紙も同日、「メディアの報道姿勢は、ダイアナ元妃の死後もさほど改まっていない。ウィリアム王子とケイトさんとの関係が爆発的な注目を浴びるにつれ、一部のカメラマンが行動を逸脱するようになっている」との社説を掲載した。

 ウィリアム王子とケイトさんは、スコットランドのセントアンドルーズ大学(University of St. Andrews)に在学中の2001年に知り合い、2004年に交際をスタートさせたという。2人の婚約は間近であるとの報道はここ数週間で過熱してきているたが、ケイトさんが警官10人に警護されてロンドンのナイトクラブを出る姿が5日に目撃されて以来、報道はさらに激しさを増している。

■名誉毀損での訴訟準備か

 民間人であるケイトさんの警護を「公費から賄っているのでは」との疑惑を、王室警護隊は否定した。だが、過熱報道への懸念は王室警護隊の間でも広がっている。ある警護隊員は7日付の「サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)」紙に対し、「ケイトさんは快活で落ち着いた女性。しかし、彼女にも我慢の限界というものがあるだろう」と語った。

 同紙はさらに、ウィリアム王子とケイトさんの代理人をつとめる法律事務所「Harbottle and Lewis」がケイトさんの名誉毀損(きそん)で民事および刑事訴訟を起こす準備があると報じた。目下のところ、裁判が「いつ」起こされるかに焦点が集まっているという。また、同紙によると、ウィリアム王子は友人に「(報道合戦がケイトさんを悩ませていることに)とても腹が立つ」と語ったとされる。

 ウィリアム王子は2006年12月に陸軍士官学校を卒業。陸軍の名門部隊、近衛騎兵連隊「ブルーズ・アンド・ロイヤルズ(Blues and Royals)」に配属され、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の住まいであるウィンザー城(Windsor Castle)に近いCombermere兵舎に所属する予定となっている。(c)AFP/Michael Dunlea