
【シノン/フランス 16日 AFP】ジャンヌダルク(Joan of Arc)のものとされている遺品の調査を行っている専門家らは、遺体がジャンヌダルクのものではないとの結論にほぼ達したと発表した。
法医学専門家のPhilippe Charlier氏は、「フランスのヒロイン、ジャンヌダルクである可能性は低い」と、半年におよぶ調査結果を伝えた。
「この結果だけでは、まだはっきりと断定はできないが、わたしが当初期待していたものとは異なった結果がでてしまった。残念ながら、これらの遺品は偽物だと考えざるを得ない」と同紙は語る。
■異なる痕跡
骨片や木片、端切れなどを含む、ジャンヌダルクのものとされていた遺品は、トゥール(Tours)にあるローマカトリック教会の遺産保護団体によって大切に保管されてきた。
調査の結果、亜麻布の端切れは確かに15世紀のものと確認された。が、そのほかの遺品については、火刑を受けたはずの焼け跡は一切なく、反対に防腐処理の形跡が見られた。
1431年、フランスの武名の英雄ジャンヌダルクは19歳の若さで、イギリス政府によって北部ルーアン(Rouen)の町で火あぶりの刑に処せられている。
ジャンヌダルクのものとされる遺品の調査が発表されたのは、2006年2月。Charlier氏ら研究チームは、生化学的検査から分子構造に至るまで遺品を調査し、本物である証明と正確な年代特定により、フランスの象徴となったジャンヌダルクの波乱の人生を解明しようと試みた。
■神の声を聞いた若き英雄
フランス東部に生まれたジャンヌダルクは、聖なる声に導かれ、イギリスとの間で繰り広げられていた百年戦争(1337-1453)の終盤で、敗走を続けるフランスを数々の勝利をもたらした。
彼女の人生はヴォルテール(Voltaire)から現代作家に至るまで作家たちの魅力的な題材となり、聖人から、教会による陰謀の犠牲者など、さまざまに描かれてきた。
神の啓示やイギリス対する反撃の成功によって、ジャンヌダルクはフランス国民台頭の象徴となった。
後にジャンヌダルクはカトリック系ナショナリストたちの神話的存在となり、またジャンマリ・ルペン(Jean-Marie Le Pen)率いる極右政党国民戦線(Front National)の紋章にも採用され、同党は毎年ジャンヌダルク祭を開催している。
写真は15日、ワシントンD.C.のコーコラン美術館( Corcoran Gallery of Art)に展示されたジャンヌダルクの彫刻。(c)AFP/TIM SLOAN
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