写真は、クアラルンプール市内を、露出度の高い服を着て歩く女性。(7月12日撮影)(c)AFP/Jimin Lai
【クアラルンプール/マレーシア 8日 AFP】イスラム原理主義組織の政党が政権を握るケランタン(Kelantan)州政府は、「非イスラム教徒であっても、露出度の高い服装をした女性に対しては罰金を科す」という法案は撤回したものの、イスラム世界での判断基準における「不適切」な服装を続ける場合には厳罰に処すと警告した。
■州政府の言い分は、「人前で肌を露出すると、ろくないことが起きない」
州政府は、2005年に、店やレストランで働く女性がミニスカートやシースルーのブラウスなど露出度の高い服装を着用した場合には、500リンギット(約1万6千円)の罰金を科すと発表し、大論争を巻き起こしていた。
「非イスラム教徒を特に狙ったわけではない。われわれの服装規定は州内のすべての女性に適用されるというだけの話だ」とAbdul Aziz州知事は語った。
さらに、「ただちにというわけではないが」と断った上で、服装規定違反を続ける女性(非イスラム教徒含む)には、罰金を科すことを明らかにした。同規定の目的については、「人前で肌を露出したり身体の線を強調したりすると、ろくないことが起きない。そうならないように、との願いから来たものだ」と述べた。
この服装規定に対し、中央政府は、「女性の尊厳を傷付け、民族間関係を損なうものだ」として非難してきた。同国には非マレー系も多く、2005年現在で、中国系が住民の26%、インド系が8%を占めている。
■一方では、イスラム原理主義政党も柔軟化
同州は、国内で唯一、単一イスラム国家の樹立を目指す野党・全マレーシア・イスラム党(PAS)が政権を握っている。中央政府と他州は、マレー人の全国組織・統一マレー国民組織(UMNO)が政権を担っている。
Aziz州知事は、「州内で増殖する社会悪に今まで以上に立ち向かい、西洋文明の影響の浸透に歯止めをかけたい」と、意気込みを語った。
ただし、非イスラム教徒に対しては、寛容な態度で臨むとのこと。州知事は、「宗教と民族の違いを超えて、調和の中に暮らす、平和な州を目指しているのだから(致し方ない)。彼らには、イスラムの基準にのっとって適切な服装をさせるよう、働きかけを続ける」と語った。
一方で、PASは、党首が交代して以来、若者の支持者を増やすことを目的に、それまでの強硬路線を和らげる複数の改革を実施している。例えば、15年間禁止されてきたコンサートが最近になって解禁された。また、映画の解禁も検討されている。
写真は、クアラルンプール市内を、露出度の高い服を着て歩く女性。(7月12日撮影)(c)AFP/Jimin Lai