写真はソムリエ・ロボットとNECシステムテクノロジーの小林氏。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO
【東京 14日 AFP】日本では年々ワイン人気が高まりを見せているが、愛好家が最も心待ちにしているのものの1つが、「ボジョレー・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)」の解禁だ。毎年解禁日には、ボジョレー・ヌーボーにまつわるさまざまな記録も生まれているが、今年は「ロボット・ソムリエ」が新たな話題となっている。
■10年間でワイン消費量が約15倍に
輸入業者によれば、解禁日間近になるとフランスのブドウ園から届く約1100万本のワインが、日本中の酒屋の店頭や百貨店、24時間のコンビニエンス・ストアの棚を埋めつくす。
2005年の日本人のワイン消費量は880万リットル。59万リットルの消費しかなかった10年前と比べて飛躍的な伸びだ。
フランス産食品や農産物の輸出を促進する仏政府機関、「フランス食品振興会(Sopexa)」日本事務所のコマーシャル・マネージャー、シャルル・デュラン(Charles Durand)氏はこう語る。
「日本のワイン市場の拡大は現在も進行形。ワインの持つ祝祭気分や季節感は、パーティー好きの日本人に強く好感を持たれている。特に新しいシーズンの到来を告げるボジョレー・ヌーボー解禁でムードがいっそう盛り上がる」
■味を見分ける「ソムリエ・ロボット」が登場
日本人のワインへの愛着は、電子機器の世界にまで広がっている。新シーズンを前に登場したのは、ワインを「テイスティング」できる「ソムリエ・ロボット」だ。
このロボットは、NECシステムテクノロジーと三重大学の共同研究で開発されたもので、異なるワインの味を判別し、それぞれのワインに最も合う料理をアドバイスすることまでできる。
外見は卵形の頭部に緑色のスーツでロボット然としているが、2本の腕に内蔵された赤外線センサーで、ワインや食品の成分や組成を分析する。
「ロボットはワインの組成を分析後、データベースの中からそのワインに適切な食品を探し出し、アドバイスをする」(NECシステムテクノロジーラボラトリ、小林香織氏)。
アドバイスのために「話す」際には、頭を回転させ、口が点灯する。現在、ソムリエ・ロボットのデータベースには、20種類のワインに関する検出ポイントが記憶されており、2004年のボジョレー・ヌーボーのデータも含まれている。
■ワインに合わせた食の提案も
また、オーナーの食や酒類の好みに応じて、カスタマイズすることも可能だ。例えば、チーズ愛好家のオーナーが、多様なチーズの情報を与えた後に、グラスに入った若いボジョレーを分析させれば、ロボットは速やかに、ブリー(brie)やカマンベール(camembert)などソフトなチーズとの組み合わせを提案する。この分析能力は成功率90%を誇るという。
しかし前述のデュラン氏は、「もちろん、ロボットがソムリエの代わりを務めることはできない」と笑う。
「ソムリエの役割はとても難しい。食事とワインを的確に組み合わせるため、テイスティング以外に配慮すべきことがたくさんある。ワインはもちろん、それに合う食品にも精通し、さらに食事をする人の人柄、好み、予算、その日の気分などすべてを同時に考慮しなければならない。これはロボットにはできない仕事だ」
写真はソムリエ・ロボットとNECシステムテクノロジーの小林氏。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO