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「ブイヤベース」に息づくマルセイユの魂 - フランス

  • 2006年11月13日 16:03 発信地:フランス
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写真はレストランLe MiramarのBuffaシェフによるブイヤベースをサーヴするウェイター。(c)AFP/GERARD JULIEN

【マルセイユ/フランス 13日 AFP】かつては漁師の食事だったブイヤベース(bouillabaisse)が、今や高級料理となっている。南仏マルセイユ(Marseille)の料理界は、この伝統的な魚のシチューのおかげでもっているようなものだ。

■かつては「船上の定番料理」

 ブイヤベースという名前は、フランス語で「煮る」を意味する「bouille(bouillir)」と、「量を減らす」という意味の「baisse(baisser)」から生まれたと考えられ、イタリアから伝わったという説と、ギリシャを起源とする説がある。

 ぐつぐつと魚を煮出して作った、わずかに辛いスープにじゃがいもや多くの肉厚の魚が入ったこのプロバンス料理は、マルセイユの人々の魂と切っても切り離せない。使われる魚はアナゴやカサゴなど、岩礁に住む種類のみと決まっている。

 象徴的な「金色のスープ」は、かつては漁師が船上で調理し食べる定番料理だった。やがて家庭料理として普及したが、現在では伝統的な調理法を守っているのはほんの一部のレストランだけになってしまった。

「ブイヤベースはマルセイユではごく普通の料理だが、同時に本場の味でもある」と語るのは、マルセイユ生まれの料理評論家で、地元紙ラ・プロバンス(La Provance)に料理コラムを書いているPierre Psaltis氏だ。ブイヤベースの専門店、L’Epuisetteで伝統のスープを味わいながら、地元の料理人たちがこぞってレパートリーを増やし始めた当時を回想した。

■専門店のシェフたちが「正しい作り方」を伝授

 別の専門店、Le Miramarでは、市の観光局が発案した「ブイヤベース教室」が開催されている。この料理教室では市民や観光客対象に、「おいしいブイヤベースを作る秘訣(ひけつ)」を伝授している。講師を務めるChristian Buffaシェフは、市場で最適な魚を選ぶところから、調理全般にわたってブイヤベースの作り方を教える。

 同じく伝統的な調理法を守っている専門店のChez Fonfonの料理長、Denis Blanc氏は、「スープのだしを取る分も含めると、1日で軽く80キロの魚を消費している」と語る。

「作り方は簡単」とBlanc料理長は言うが、それは要約すると、「できるだけ新鮮な魚を使い、完成までに丸1日をかける」ということになる。それこそが、ブイヤベースが地元民にとっても観光客にとっても特別なごちそうとなっている理由かもしれない。レストランで提供される価格は、1人前で50ユーロ(約7500円)もするのだ。

 Blanc料理長は、ブイヤベース作りの一連のプロセスを実演してみせてくれた。玉ネギ、フェンネル、ニンニク、スープ用の魚を炒め、白ワインを加えて数時間煮込む。フュメ・ド・ポワソン(魚介のエキスでできたスープストック)を加えてさらに煮詰めてから、裏ごしする。

 具となる魚は最後に加える。Chez Fonfonでは、ブイヤベースに5種類の魚を使う。、スープで15分間さっと煮ればできあがりだ。スパイスの効いたルイユ(rouille、ニンニクのソース)をたっぷり塗ったトーストを添えて出せば、2つの風味が舌の上で融合し、おいしさがはじける。

 ブイヤベースが完成するまで、レストランの客にはベースとなるスープだけをまず提供する。
「まず一杯のスープを飲むことが大切。そうすれば、ブイヤベースができるまで空腹を我慢することができる」(Chez Fonfonのウェイター)

 調理された魚が銀の大皿にのってテーブルに到着し、骨がはずされ切り分けられていく様子からは、漁師の食事だったという質素な原型は想像できない。

 写真はレストランLe MiramarのBuffaシェフによる料理教室の様子。(c)AFP/GERARD JULIEN
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