【パリ/フランス 18日 AFP】パリのハンガリー大使館で16日、「トカイ(Tokay)ワイン」のブランド名移譲式典が行われ、フランスのアルザス(Alsace)産ワインから「トカイ」の名前が公式に消える。
「トカイ」はハンガリーの白ワインの産地で、ユネスコ(UNESCO)の世界遺産にも登録されている。同地方では数百年にわたり「トカイ」の名前で、辛口から甘口までの多様な白ワインを生産してきた。このことから、ハンガリーは数十年前から白ワインのブランド名の独占使用権を主張。その結果、EU加盟を果たした2004年、「トカイ」の商標権を勝ち取った。
16日の商標移譲式典では、Andreas Mahr経済担当大臣にブドウをかたどったバカラ(Baccarat)のワイングラスが手渡され、同大臣は「トカイは歴史的にも3世紀からハンガリーの貴重な領土。商標移譲に応じてくれたアルザスに感謝する」と謝意を述べた。
■王のワイン、ワインの王
フランスでのトカイワイン人気は、18世紀初頭にトランシルバニア皇太子がルイ14世(Louis XIV)にトカイワインを贈ったことを機に始まった。ルイ14世がトカイワインを讃えて述べたとされる「王のワイン、ワインの王」は、トカイワインのキャッチフレーズとなっている。
両国は1926年、ハンガリーのコニャック(Cognac)生産中止を条件に、フランスが「トカイ」商標の使用を段階的に削減することで合意をみた。しかし、アルザス地方は合意に強硬に反発。同地方でもピノグリ(pinot gris)種ブドウを使った「トケイワイン(Tokay d’Alsace)」を16世紀から生産していると主張した。実際に、最近まで年間1600万本の「トカイワイン」を生産している。
なお厳密には、アルザスにおける「トカイ」の商標は2007年の4月まで使用可能だ。しかし、「アルザスワイン異業種間評議会(Interprofessional Council of Alsace Wines)」によると、アルザスのワイン生産者らはすでに「トカイ」の商標使用を取りやめてきており、使用禁止によるワイン産業への影響もほとんどないという。
一方、ハンガリーはイタリアとの間でも「トカイ・フリウラーノ(Tocai Friulano)」の商標の使用中止を求める合意を成立させている。また隣国スロバキアでも、「トカイ」の商標名の使用はハンガリー国境の特定地域で生産されたワインのみに限定することが決まっている。
写真はハンガリー、トカイ地方の町Thannでピノグリ種のブドウを収穫する様子(2000年10月26日撮影)。(c)AFP/FRANCK FIFE
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