【フアヒン/タイ 24日 AFP】「スペインの家を高く売って、この家を買ったんだ。タイでは何もかもが手ごろだよ。私はゴルフができるし、妻はビーチで楽しめる。15歳の息子はとてもよい教育を受けられる」
スウェーデン人ホテル経営者Sven Wermelinさん(65)はこう語る。
◆余生を楽しむのに最高の場
Wermelinさんは、仕事の関係で欧州・アジア各国を旅行してきた。それは同時に余生を送るにふさわしい場所探しでもあった。そんな彼が見つけたのは、タイ南部のリゾート地フアヒン(Hua Hin)の276平方メートルの家だ。
「フアヒンはいまや私の故郷だ。余生を楽しみたい人間にとって最高の移住先だよ」
余生をタイのリゾート地で送ろうと物件を買う外国人は増加傾向にある。多くはタイ政府が2006年2月に新たに発行した「退職ビザ」を利用している。ビザは50歳以上の外国人なら、仮に母国で仕事を続けていても利用できるのが特徴だ。
そのため、タイの不動産需要に拍車がかかっている。フアヒンで不動産開発を行っているRegal Thailand社のGeorge Mastronikolis取締役は、
「この数年は、アジアに駐在している外国人が主な顧客層だ。最近では個人客が増えてきているが、そのほとんどは退職者で、タイの暮らしにメリットを見出した北ヨーロッパ出身者が多い。相場の上がったスペインや他の欧州諸国の持ち家を売り、タイに家を買うんだ」
◆北ヨーロッパ人に人気で、不動産価格急騰
タイでは外国人の土地所有は認められていないが、分譲マンションや一戸建てであれば購入できる。
高級リゾート地のフアヒンの住宅相場は200万~3000万バーツ(約600万~9200万円)で、なかでも500~1000万バーツ(約1500万~3000万円)の中価格帯に需要が集中している。
「フアヒンは将来性のあるユニークな街だ。家族や退職者にとっては完璧な移住地といえる」とMastronikolis取締役は語る。
KGI証券の不動産アナリストPatti Tomaitrichitr氏によると、欧州出身の駐在員や退職者たちに特に人気が高いのは、プーケット(Phuket)、パタヤ(Pattaya)、フアヒンといったリゾート地。「香港などほかのアジア市場に対し、タイの不動産価格や生活費は比較的競争力が強い」と説明する。
プーケット国際空港から、バンコク(Bangkok)など近隣の都市へのアクセスは簡単。また、ヨットやゴルフがこの地域での主な娯楽で、プーケットは退職者に魅力のある移住先になっている。「プーケットには世界的な水準の国際医療施設もあり、手ごろな価格で利用できる。欧米より安く効率的なサービスが受けられる」と語るのは、プーケットに本拠地を置くCB Richard Ellis社のCharlotte Filleul営業部長だ。
「タイでは、運転手やお手伝いさん、看護士といったたくさんの使用人を雇うなど、西側諸国ではできない生活が可能だ」(Filleul営業部長)
◆ヨット所有、しかも生活費は手ごろ
プーケットはどちらかというと高額所得者層の外国人に人気で、2004年12月の津波でやや不況に陥ったものの、2005年末には販売は回復した。プーケットの不動産相場は他の地域に比べて高く、西側出身者向けの分譲マンションは1平方メートルあたり6万5000~10万バーツ(約20万~31万円)が相場だ。
Filleul営業部長は、「過去5年、不動産価格は年率20%前後で高騰しており、今後はもっと高くなると予想される」と話す。パタヤでは、海の見える別荘に何百万ドルもの値が付いている。
Richard Ellis社のDavid Simister氏は、「パタヤの物件のいくつかは、高所得者層を狙って急騰しつつある。交通の便は良く、食べ物は国際色豊か。ヨットが所有でき、それでいて生活費は手ごろ、しかも地元の人々は親切。タイはパッケージとして非常におもしろい場所なんだ」と語る。
パタヤでも、不動産売上げが2005年半ばから2倍に伸び、価格は2005年度第3四半期以降50%も跳ね上がっている。
写真はフアヒンの海岸を歩く旅行客(20日撮影)。(c)AFP/Pornchai KITTIWONGSAKUL
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