【9月23日 AFP】HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の新規感染者数が2001年と比べて3分の1減少し、特に子どもの新規感染者は半減したと、国連(UN)が23日、発表した。

 2012年にHIVに新たに感染した人の数は全世界で230万人で、2001年と比べて約33%減少した。また、新たにHIVに感染した子どもの数は26万人で、2009年と比べると3分の1以上少なく、2001年からは52%減少した。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)のミシェル・シディベ(Michel Sidibe)事務局長は「HIVの年間新規感染者数は減少を続けている。特に、新たにHIVに感染した子どもの数が急激に減少している」と述べた。

 UNAIDSはHIVに感染した妊婦から胎児への感染を防ぐ抗レトロウイルス薬の配布が成果を上げたと評価。今後2年間で子どもの新たな感染を90%まで減少させることができる可能性も出てきたという。

 UNAIDSの年次報告書によると、抗レトロウイルス薬により2009~2012年に67万人の子どもの新規感染が防止された。特に、世界の子どものHIV感染者330万人のうち90%が集中するサハラ以南のアフリカでの成果が目覚ましかったという。たとえばガーナでは、HIV陽性の妊婦のうち90%が抗レトロウイルス治療を受けることができた。3年前に同治療を受けることができたのは、わずか32%だった。

 さらに、2012年にエイズに関連して死亡した人は160万人で、2005年の230万人、2011年の180万人から減少している。(c)AFP/Nina LARSON