【9月20日 AFP】英紙タイムズ(The Times)の20日の報道によると、英イングランド(England)とウェールズ(Wales)の刑務所が間もなく全面禁煙となる見込みだ。受動喫煙をめぐって職員が訴訟を起こす事態を恐れた当局が動いたという。

 タイムズによると、来年初めから試験的にイングランド南西部の刑務所の敷地内で全たばこ製品の使用を禁止し、12か月以内にイングランド・ウェールズで全面施行する。各刑務所の幹部に書面で通達されたという。タイムズが入手したという書面には「ご承知の通り、職員と受刑者に無煙環境を提供するため、禁煙方針を導入するのは今を置いてないとの決定を刑務所当局は下した」とある。

 禁断症状を起こした受刑者が暴れる可能性が懸念されるため、受刑者にはニコチンパッチが配布されるという。

 ただ、ある刑務所関係者は同紙に「(禁煙を)導入すべきときなのかどうかは疑問だ。刑務所内は気が張ることばかりだし、失業もますます増えるのに」と語っている。

 英警務局では職員が禁煙を求める運動を展開しており、当局は受動喫煙をめぐって職員が賠償請求訴訟を起こすのではないかと懸念を強めていた。(c)AFP