【9月6日 AFP】中国北部・山西(Shanxi)省で両目の眼球をくりぬかれ視力を失った6歳の男児に、再び視力を取り戻すチャンスが訪れている。香港(Hong Kong)の病院が「電子義眼」を提供することを申し出たのだ。

「ビンビン(Bin-Bin)」ことグオ・ビン(Guo Bin)君は先月、両目の眼球をくりぬかれ、自宅近くで血まみれの状態で発見された。中国国営新華社(Xinhua)通信は4日、警察が、事件の数日後に自殺した男児の伯母を容疑者と断定したと報じている。

 香港を中心に医療活動を行っている眼科専門医デニス・ラム(Dennis Lam)氏によると、同氏の医療チームはグオ・ビン君に、無料で治療を行うことを申し出ているという。

 同氏は現在、グオ・ビン君の両親の同意を待っているところで、同意が得られれば、グオ・ビン君を香港に隣接する中国南部・深セン(Shenzhen)市にある同氏の眼科病院に移送し、来週早々にも義眼を埋め込む手術を行うことができるという。

 治療法としては、カメラが処理した画像の信号を舌に取り付けた電極を経由して脳に送り、脳に再び「見る」ことを学習させる。同氏によると、この技術はすでに日本や欧州で使用されているという。

 最終的には、脳に直接信号を送る「バイオニック・アイ」を移植し、少年の視力を部分的に回復させることが目標だが、この治療法は現在開発中だという。

 ラム氏はAFPの取材に対し、「10年後の話をすれば、うまくいけば視力を20~40%まで回復させることができるかもしれない。最終的な目標は、もう一度見ることを助けることだ」と語った。(c)AFP