【9月2日 AFP】欧州男性の平均身長が1870年から1980年の間に11センチ伸びたとする研究論文が2日、英オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)発行の「オックスフォード・エコノミック・ペーパーズ(Oxford Economic Papers)」に掲載された。健康改善が主な要因だという。

 調査は15か国の21歳前後の男性を対象に行われ、軍事、医療、その他の記録から平均身長が推計された。

 研究論文の著者、英エセックス大学(University of Essex)およびオーストラリア国立大学(Australian National University)所属の経済学者、ティモシー・ハットン(Timothy Hatton)氏は、この身長の伸びを「爆発的」と表現し、「最も重要な要因は疾病環境の改善だと証拠が示している」と説明。所得の増加や教育の拡大、家族規模の縮小などもそれなりに影響しているとした。

 1980年の時点では、調査対象15か国のうち、オランダ人男性の平均身長が183センチと最も高く、ポルトガル人男性が173センチと最も低かった。

 今回の研究では、同期間における身長を記録した正確なデータの不足から女性は対象とならず、男性のみに焦点があてられた。

 別の研究によると、同期間中に欧州でみられた平均身長の伸びは、アフリカ、南米、南アジアなどの地域での値を大きく引き離しているという。この時期は産業化や都市化が進み、また抗生物質の開発、医療制度の拡大などが特徴的だった。(c)AFP