【7月19日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は18日、中東などで多数の死者を出している中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory SyndromeMERS)について、新たに6人の感染者がサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UEA)で確認されたと発表した。うち5人が医療従事者だという。

 WHOの発表によると、アブダビ(Abu Dhabi)の2つの病院で、MERSウイルス感染患者の治療にあたっていた医療従事者4人の感染が確認された。このうち、28歳の男性職員と30歳の女性職員には病気の症状が現れていないが、30歳と40歳の女性職員は発症したものの、容体は安定しているという。

 また、サウジアラビアでは、感染患者と接触した42歳の女性医療従事者と26歳の男性が感染したが、症状は軽く、入院はしていないという。

 これまでにMERSウイルスへの感染が確認された人は88人。うち45人が死亡しており、感染拡大の懸念は日増しに高まっている。これまでに感染者67人、死者38人を出し最も感染が広がっているサウジアラビアでは、イスラム教の聖地メッカ(Mecca)への巡礼(ハッジ)の時期が近づいていることもあり、特に懸念が広がっている。同国は13日、高齢者、慢性的持病のある人、子供、妊婦に対して、メッカ巡礼を控えるよう求める通達を出した。(c)AFP