【7月9日 AFP】尿に含まれる特定の臭いを検知して膀胱(ぼうこう)がんを初期段階で発見する装置を英大研究チームが開発し、その試験結果を8日、米オンライン科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」で発表した。

 膀胱がん発見装置「ODOREADER(オドリーダー)」を開発した英リバプール大学(University of Liverpool)と西イングランド大学(University of the West of England)の研究チームは、イヌがある種のがんの臭いを嗅ぎ分けることができるとの論文から発想を得たという。

 米国では毎年7万2000人、英国では約1万人が膀胱がんと診断されている。喫煙が最大の危険因子とみられている。

 リバプール大のクリス・プロバート(Chris Probert)教授によれば、膀胱がんは早期発見できれば有効治療が可能だが、今のところ初期段階で膀胱がんを発見できるスクリーニング法はない。現在はがんが進行した段階でようやく尿検査で発見されるという。 「ODOREADER」に内蔵されたセンサーは尿から発散されるガスに反応し、その化学成分を分析。結果をコンピューター画面で確認し、膀胱がんか否かを診断できるという。「ODOREADER」の開発段階では、98の尿サンプルをテストした。内訳は、がんのある患者24人と、し尿器系に何らかの症状があるが、がんではない対照群患者74人の尿で、テスト結果は100%の確率でがんのある患者の尿を検知できたという。

 次の段階では、尿サンプル試験の対象を拡大し、医療機関での実用性の可否を探るという。 「ODOREADER」を開発した理由について、論文共著者の西イングランド大、ノーマン・ラトクリフ(Norman Ratcliffe)氏は「イヌなら(膀胱)がんの臭いを嗅ぎ分けることはできるが、この方法を病院で使えないことは明らかだから」と語った。(c)AFP