【5月31日 AFP】人工妊娠中絶が固く禁じられている中米エルサルバドルで、母体への危険が高いにもかかわらず堕胎を認める特例措置の申請が最高裁判所に却下された慢性疾患の女性が30日、帝王切開で早期出産すると明かした。

 ベアトリス(Beatriz)さん(22)はAFPの電話取材に、「手術してもらえることになって、安心した」と語った。帝王切開は、妊娠26週目となる来週に予定されているという。

 1歳になる息子がいるベアトリスさんは、免疫低下を引き起こす「全身性エリテマトーデス」と診断されている。医師らによると、胎児は無脳症で、出産直後に死亡する可能性が高い。母体を守るため特例として堕胎許可を申請していたが、エルサルバドル最高裁は29日、胎児の権利より母親の権利が優先することはないとして申請を却下した。

 マリア・イサベル・ロドリゲス(Maria Isabel Rodriguez)保健相は30日、ベアトリスさんの帝王切開手術は「ベテランの医師団」が担当すると述べ、手術は堕胎ではなく「出産」に当たると強調した。

 首都サンサルバドル(San Salvador)の産院でAFPの取材に応じたベアトリスさんは、「とても緊張している」とコメント。胎児が生き延びることがない以上、自分の身の安全を確保するため帝王切開を受けたいと語った。

 ベアトリスさんは一方で、「病院で苦しむだけの日々を私に強いた」と最高裁判所の判断を批判した。これまでのところ帝王切開に関して政府からの接触はなく、ベアトリスさんは「全面的に神を信頼している」と語った。ベアトリスさんの家族も帝王切開を受ける決断を支持しているという。(c)AFP/Maria Isabel Sanchez