【5月29日 AFP】サウジアラビアの保健当局は28日、SARSSevere Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)ウイルスに似た新型コロナウイルスの感染者を、国内で新たに5人確認したと発表した。感染が確認されたのは73~85歳の5人で、全員が慢性疾患を患っていたという。

 一方、フランスでは同日、同国初の新型コロナウイルス感染患者だった65歳の男性が死亡した。男性はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)でウイルスに感染したとみられている。フランスで病室を共にしていた男性も、同じウイルスに感染した。

 同ウイルスの感染者が最も多く確認されているのはサウジアラビアで、30人以上が感染し、うち18人が死亡した。感染はその他、ヨルダン、カタール、チュニジア、UAE、ドイツ、英国にも広がり、これまでに24人が死亡している。

 これまで「nCoV-EMC」と呼ばれていたウイルスは先週、「Middle East Respiratory Syndrome(中東呼吸器症候群)コロナウイルス」、またはこれを短縮した「MERS(マーズ)コロナウイルス」と命名された。(c)AFP