【5月27日 Relaxnews】おなかに赤ちゃんがいる状態での空の旅は、妊娠後期であっても母子ともに危険はない――英国王立産婦人科学会(Royal College of Obstetricians and Gynaecologists、RCOG)が、このほど改訂した新ガイドラインでこのように助言している。

 RCOGは、妊婦が飛行機に乗る際の主な懸念について、早期陣痛や産科救急対応が必要な事態が機中で起きてしまうことだと指摘。したがって、妊娠合併症がない場合は、飛行機に乗ってもほとんどリスクはないと述べた。

「合併症のない妊婦に、飛行機旅行を控えるよう助言する理由はない。具体的には、主な懸念材料は陣痛のリスクであり、妊娠初期なら飛行機に乗っても何の問題もない」と、ガイドラインを執筆した英リバプール大学(University of Liverpool)のイアン・グリア(Ian Greer)教授は説明。その上で「しかし、流産や子宮外妊娠の経験がある妊婦は、旅行前に超音波検査を受けて、胎児の位置や生存能力を確かめるほうが良い」と忠告した。

 またRCOGは、妊婦が海外旅行する際は、深刻な問題が発生した場合の帰国費用なども補償してくれる妊婦向けの適切な旅行保険に加入するよう勧めている。

 ただし、一部の妊婦は飛行中にひどい乗り物酔いになる可能性があるほか、窮屈な座席に長時間座ったままでいるため深部静脈血栓症リスクがわずかに増える恐れがある。グリア教授は、4時間以上のフライトに臨む妊婦に対し、薬局で購入できる段階式着圧ストッキングを着用するようアドバイスしている。(c)Relaxnews/AFPBB News