【5月14日 AFP】フランスでSARSSevere Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)ウイルスに似た新型コロナウイルスへの感染が初めて確認された患者と3日間同じ病室だった男性が同ウイルスに感染し、12日、容体悪化のため集中治療室に移された。病院関係者が明らかにした。

 2人は現在、仏北部リール(Lille)の大学病院で治療を受けている。国内初の感染者である65歳の男性は「非常に重症だが安定した状態」とされている。

 フランス国内で2人の感染が確認されたことがマスコミの注目を集めるなか、保健当局は国民の懸念を鎮めようと懸命だ。「nCoV-EMC」と呼ばれるこの新型ウイルスは、10年前に東アジア地域で約800人の犠牲者を出したSARSウイルスの近縁種で、これまでにサウジアラビアを中心に18人の犠牲者を生んでいる。

 65歳の感染者は4月のドバイでの休暇中に感染したとみられている。今回の患者間感染について、大学病院の専門家は、新型ウイルスの感染力がこれまで考えられていたよりも強いことを示す事例ではないと述べている。(c)AFP