【4月11日 AFP】中国警察当局の発表に基づくAFPの集計によると、中国では10日までに、鳥インフルエンザ(H7N9型)に関する虚偽のうわさを広めたとして、少なくとも12人が身柄を拘束された。自分の住む地域でも感染者が出たなどと偽の情報をインターネット上に流し、市民を混乱させたという。これまで33人が感染し、うち9人が死亡しており、関係当局は国民がパニックに陥る事態を避けようと懸命になっている。

 新たに5人の感染が伝えられる中、4日にH7N9型感染が確認された上海(Shanghai)在住の男の子(4)が、感染者として初めて回復し、治療を受けていた病院を退院したことが国営メディアにより報じられた。中国保健当局の専門家は、早期の感染発見が功を奏したとの見方を示している。報道によると医師団は副作用を恐れ、男の子への抗ウイルス剤の投与量は控えたという。

 H7N9型インフルエンザの感染拡大をめぐっては、ニワトリやハト、ウズラなどが感染源として疑われているものの、ヒト感染についての詳細はまだ分かっていない。国営新華社通信(Xinhua)によると、中国の科学分野における最高研究機関「中国科学院(Chinese Academy of SciencesmCAS)」は、ウイルス株について「東アジアの野鳥と中国東部のニワトリ」に起因するものとみているという。また、ブタからはH7N9型の遺伝子は発見されなかった。

 中国は10日、H7N9型のワクチンを今後7か月以内に開発する国家プロジェクトを立ち上げた。(c)AFP/Bill Savadove