【4月4日 AFP】薄毛の男性は冠動脈疾患のリスクが高いという、薄毛男性にはダブルパンチとなる報告書が3日、英医師会雑誌(BMJ)のオンライン医学誌「BMJ Open」で発表された。ただし、頭頂部が薄くなっている人に限るという。

 報告によると、心臓発作の原因となる動脈の血栓が生じるリスクは、おでこが後退している男性では特に大きく増えていなかった。

 東京大学(University of Tokyo)大学院糖尿病・代謝内科(Department of Diabetes and Metabolic Diseases)の研究チームは、1993~2008年に行われた男性脱毛症と冠動脈疾患に関する6つの研究結果を分析した。これら研究では、米国と欧州の計4万人が対象となった。

 分析の結果、毛髪の大半を失った男性は、髪の毛のある男性と比べて冠動脈疾患を発症する確率が3分の1以上高かった。脱毛の進行度はリスクの度合いに影響していたが、やはりこれも頭頂部が薄くなっている人のみに確認された。

 報告書では、こういった結果から、頭頂部に脱毛がみられる男性、特に若い男性においては、心臓血管のリスク要因を慎重に調べる必要があり、そういった人々にはリスク軽減策を推奨するべきだろうとしている。

 報告書によると、男性脱毛症のある成人男性は全体の30~40%ほどで、80歳の男性では80%を占めるという。脱毛と冠動脈疾患が関連している理由ははっきりしていないが、脱毛症とインスリン抵抗性、糖尿病、慢性炎症、あるいはテストステロンに対する感受性との関連性を指摘した先行研究の存在を、研究チームは指摘している。これらの症状はすべて、心臓血管疾患に行き着く可能性がある。(c)AFP