【3月22日 Relaxnews】ギリシャ・イカリア(Ikaria)島は世界有数の長寿の島だ。その秘密は、心臓に良い地中海料理のみならず、島民たちが毎日必ず飲む1杯のコーヒーにあるようだ――。そんな研究調査の結果がこのほど、専門誌「Vascular Medicine」に掲載された。

 論文によると、アテネ大学(University of Athens)医学部の研究チームは、島に住む高齢者たちの心臓血管の健康状態と、彼らが毎日飲むギリシャコーヒーに関連があることを発見した。ギリシャコーヒーは、ひいたコーヒー豆を水に入れ、沸騰させて作る。

 研究では、イカリア島で生まれ育った65歳以上の島民673人から男女それぞれ71人ずつを無作為に選び、医療機関で血圧を計測したり糖尿病やその他の病気について検査したほか、内皮機能についても調べた。内皮は血管が並ぶ細胞層で、喫煙などの生活習慣や加齢の影響を反映する。

 また、調査対象者には健康状態や生活習慣、コーヒーの飲み方などに関するアンケートも実施。コーヒーについては、対象者が「飲む」と答えた全種類について影響を比較した。

 すると興味深いことに、対象者の87%以上がギリシャコーヒーを毎日飲んでおり、内皮機能は主にギリシャコーヒーを飲む人のほうが、その他の種類のコーヒーを飲んでいる人たちより良好だった。高血圧の人だけを比較した場合にも、やはりギリシャコーヒーの摂取と内皮機能の改善に関連がみられたという。

 コーヒーの適度な摂取が冠動脈性心疾患のリスクを減らし、内皮の健康状態に幾つかの点で好影響を及ぼすことは、これまでの研究で分かっている。今回の研究を主導したゲラシモス・シアソス(Gerasimos Siasos)博士は、「沸騰させて作るギリシャコーヒーには、ポリフェノールと抗酸化物質が多く含まれる一方、カフェインの量は比較的少ないため、他の種類のコーヒーよりも効果が高いようだ」と説明している。

 90歳まで生きる高齢者は欧州では人口のわずか0.1%だが、イカリア島では1%に達する。その上、イカリア島の高齢者たちは健康を維持しながら長生きする傾向がある。(c)Relaxnews/AFPBB