【3月15日 Relaxnews】同性婚をしている人のほうが、異性婚をしている人よりも長寿で健康な生活を送っているとするデンマークの調査結果が発表された。また、同性愛者かどうかを問わず、未婚の男性や離婚した男性は、同性婚をした男性よりも寿命が短かったという。

 科学ニュースサイト「ライブサイエンス(LiveScience)」によると、デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)にある国立血清学研究所(Statens Serum InstituteSSI)とオールボー大学(Aalborg University)性科学研究センターに所属するマーティン・フリシュ(Martin Frisch)氏率いるチームは、同国の戸籍システムにある1982~2011年のデータ650万人分を対象に調査を実施。この期間中、死亡したのは約170万人だった。収入や人口動態、人口密度、教育といった因子の影響を取り除き、死亡率を計算した結果、「婚姻関係」が影響を与えていることが示されたという。

 デンマークでは、同性カップルにも結婚に準じた権利を与える「登録パートナーシップ法」が制定された89年以降、この制度を利用している人たちの死亡率は男女ともに下がっており、男性では低下幅がより顕著だった。また2011年の時点では、同性パートナー登録をしている男性の死亡率は、女性と結婚している男性の1.4倍だったが、未婚男性や離婚した男性よりは低かった。

 フリシュ氏によれば、男性の死亡率低下の一因は、抗レトロウイルス薬によるHIV/AIDS治療法の開発が進んだことにあるとみられる。しかし、パートナー登録によって同性愛者であるゆえに直面する社会的な障害から人々が守られる可能性や、同性愛者の中でも健康な人ほどパートナー登録をする傾向にある可能性も指摘した。

 3月11日の医学誌「国際疫学ジャーナル(International Journal of Epidemiology)」に掲載された本調査結果は、同誌のウェブサイト(http://ije.oxfordjournals.org/content/early/2013/03/08/ije.dyt024.short)で読むことができる。(c)Relaxnews/AFPBB News