【3月5日 AFP】ボランティア活動は以前から心に良いとされてきたが、心臓にも良い効果をもたらすとの研究論文が、2月25日の医学誌「JAMA小児科学(JAMA Pediatrics)」で発表された。

 研究はカナダのバンクーバー(Vancouver)にあるブリティッシュ・コロンビア大学(British Columbia)の研究者チームが行った。論文執筆者のハンナ・シュライヤー(Hannah Schreier)氏によると、チームはボランティア活動が身体の状態に与える影響の解明に取り組み、心臓血管の健康を改善することを発見。「感情移入や利他的行動ができるようになり、また、心の健康が改善したと報告した人は、心臓血管の健康も大きく改善した」と指摘した。

 シュライヤー氏は、心臓病の兆候が初めて表れるのは青年期であるとの理由から、研究対象を若年層のボランティア活動者とした。研究者チームは、近所で放課後の小学生向けのボランティア活動に毎週1時間携わっているバンクーバー市内の高校生53人について、体格指数や炎症度、コレステロール値を測定。これを活動待機中である53人の測定結果と比較した。

 10週間後、ボランティア活動に携わっている高校生の炎症度やコレステロール値、体格指数は、活動待機中の高校生を下回ったという。(c)AFP