【2月5日 AFP】アフリカ、インド、その他発展途上国に偽物や粗悪な抗結核薬があふれかえっており、薬剤耐性結核菌の拡大を招いているとの報告が、5日の専門誌「International Journal of Tuberculosis and Lung Disease」に掲載された。

 研究を行った米国の専門家は、17か国19都市の住民に、民間の薬局で抗結核薬のイソニアジドとリファンピシンを購入するよう依頼した。

 集められた薬剤はクロマトグラフィーと呼ばれる化学成分の特徴を判別する手法を用いて分析された。また、体温と同じ温度の水で30分以内に溶けるかどうかも確かめられた。

 結果、713サンプルのうち、9.1%が基礎的な品質管理検査に不合格だった。不合格のサンプルのうち半数には有効成分がまったく含まれていなかった。

 抗結核薬への耐性は、患者が指示された量の薬剤を飲まなかった場合や、今回の事例のように薬剤自体に効果がなかったときに獲得される。

 不合格の占める割合はアフリカで高く16.6%、次いでインドで10.1%、ブラジルと中国、タイ、トルコ、ロシアでそれぞれ3.9%だった。(c)AFP