【10月16日 AFP】米国で汚染された医薬品が原因とみられる真菌性髄膜炎の発症が拡大している問題で、米食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)は15日、新たに2種の薬剤について真菌性髄膜炎の発症との関連が疑われると発表した。

 マサチューセッツ(Massachusetts)州の製剤会社ニューイングランド・コンパウンディング・センター(New England Compounding CenterNECC)が製造した汚染されたステロイド剤が原因とみられていたが、FDAはNECCが製造したほかの薬剤2種についても真菌性髄膜炎の発症リスクがあると警告し、医師らに対し、これらの薬剤を投与した患者たちと連絡をとるよう求めた。

 真菌性髄膜炎は症状の進行が遅いため、投与されてから発症するまで時間がかかるが、発症すれば死亡する恐れがある。

 FDAは現時点での調査結果として、NECCが製造した「全ての注射剤、心筋保護液の滅菌処理に重大な懸念がある」との声明を発表した。心筋保護液は、心臓手術を行う際に心臓の筋肉を一時的に停止させるための薬剤。

 NECCは真菌性髄膜炎の問題が明らかになった後の6日、自社の全製品をリコール(自主回収)している。

 過去数か月の間に、問題となっている汚染ステロイド剤を投与された患者は、全米23州の約1万4000人に上るとみられる。これまでに214人が真菌性髄膜炎を発症、15人が死亡しており、発症者の数は日ごとに増え続けている。(c)AFP/Mira Oberman