【10月3日 AFP】牛乳アレルギーの原因となるタンパク質を大幅に減少させた乳を出す乳牛を、遺伝子操作によって作り出すことに世界で初めて成功したと、ニュージーランドの研究チームが2日に発表した。「アレルギーを引き起こさない牛乳」の実現に近づく医学的前進だと述べている。

 ニュージーランド国営研究機関「アグリサーチ研究所(AgResearch Institute)」は、2006年からこのプロジェクトに取り組んできた。このたび「デイジー(Daisy)」と名付けた生後11か月のクローン牛で、乳に含まれるベータラクトグロブリン(BLG)量を大幅に減らすことに成功したという。

 BLGは人間の母乳には含まれていないホエイ(乳清)タンパク質で、牛乳アレルギーの原因物質とされている。

 今回デイジーから取れた乳は量が少なかったことから、研究チームでは今後デイジーから繁殖させた乳牛で乳の組成を確認するとともに、乳量を増やすことに取り組むという。(c)AFP