【9月5日 AFP】入院中に心臓発作を起こした患者に蘇生術を施す際、実施時間を数分間延長することにより生存率が飛躍的に高まるとする研究論文が、5日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に掲載された。

 研究を主導した米ワシントン大学(University of Washington)のザカリー・ゴールドバーガー(Zachary Goldberger)氏率いる研究チームは、米国の病院で行われた心臓発作後の救命処置について詳細に記録されたデータベースを分析した。データベースには、2000~08年にかけて435の病院で集められた患者6万4000人分の記録が残されていた。

 分析の結果、患者が死亡宣告を受けるまでに受けた蘇生術の平均実施時間は20分だったが、実施時間が最も長かった病院のグループ(平均25分)は、最も短かったグループ(平均16分)と比べて蘇生成功率が12%高いことが分かった。

 また、蘇生までの時間が長かった患者が脳に損傷を受ける可能性は、短時間で蘇生した患者と変わりがなかったという。

 論文によれば、先進国では入院患者の1000人に1~5人が心臓発作を起こし、生存率は20%だという。(c)AFP