【8月25日 AFP】職場での決定権が少なかったり全くない女性では、仕事によるストレスのため糖尿病リスクが倍増するとのカナダの研究結果が今週、英医学誌「Occupational Medicine(職業医学)」に発表された。男性では同様の現象は見られなかったという。

 この研究は、トロント(Toronto)の「仕事と健康研究所(Institute for Work and Health)」などの共同チームが、糖尿病の既往歴のないカナダ・オンタリオ(Ontario)州在住の女性7443人を9年間にわたって追跡したもの。

   「女性と男性では、職場のストレスに対する反応が異なる」と指摘する論文の主著者、ピーター・スミス(Peter Smith)氏によると、ストレスにさらされた女性は「男性よりも高脂肪・高糖度の食事に偏りやすい」ことが、考え得る説明の1つだという。

 研究ではストレスにさらされた女性の糖尿病リスクが高くなる原因として、ストレスに反応して神経内分泌や免疫系機能がかく乱されたり、コルチゾールや交感神経系ホルモンの分泌が長引いたりする点を挙げている。また、食事習慣やエネルギー消費に変化が起こるのも恐らくその影響だと述べている。

 論文はまた、女性の糖尿病の19%が「職場における決定権のなさ」に起因すると指摘している。この数字は肥満よりは低かったが、喫煙や飲酒、運動不足を上回ったという。(c)AFP