【8月1日 AFP】マレーシアの病院で前月14日、骨盤部分で結合し3本の脚を共有していた生後1年3か月の結合双生児の分離手術に成功していたことが、現地メディアの28日の報道で分かった。

 現地紙「ザ・スター(The Star)」によれば、国立クアラルンプール病院(Hospital Kuala Lumpur)で行われた24時間にわたる複雑な手術は、19人の外科医や麻酔医を含む60人余りから成るチームにより行われた。

 同病院の小児科部長を務めるザカリア・ザハリ(Zakaria Zahari)医師は同紙に対し、「適切なリハビリを行えば、2人とも至って普通の自立した生活を送ることができるようになる」と話している。

 ザカリア医師によれば、分離前の男児2人は性器と膀胱(ぼうこう)を共有していたため、同病院がこれまで扱った中で最も難しい例だったという。2人の性機能や生殖機能については、今後の成長をみて評価を行いたいとしている。

 2人とも術後の経過は順調だという。1人には脚が2本とも残されたが、もう1人には義足が与えられる予定だ。機械工の父親(40)はザ・スター紙に「今はただ、2人とも無事であることが嬉しい」と話している。

 結合双生児の分離手術はクアラルンプール病院で14例目、マレーシア全体では21例目だという。ザカリア医師によれば、人口2800万人のマレーシアでは生児出産の25万~50万件に1件が結合双生児として生まれるが、全てが助かるわけではなく、特に心臓が結合している場合には死亡率が高い。(c)AFP