【6月26日 AFP】2009年に流行した「豚インフルエンザ」で死亡した人の実際の数は、報告があった15倍以上にあたる25万人以上だったとする推計が26日発表された。

「豚インフルエンザ」として知られる新型インフルエンザA型(H1N1)によるものとして、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)には約1万8500件の死亡例が報告されたが、研究者たちはこの報告数は実際を大きく下回っていると考えていた。

 今回、疫学者と医師らによるチームはより正確な数字として、2009年4月からの1年間のH1N1による死者数は世界で少なくとも28万4500人、多ければ57万5400人に達したとする推計を英感染症専門誌「Lancet Infectious Diseases」に発表した。

 主著者である米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)のファティマ・ダウッド(Fatimah Dawood)氏はAFPの取材に対し、他の推定死亡率と異なり、今回はインフルエンザによる死亡データの入手が限られている東南アジアやアフリカの国々も推計に含めたと述べている。(c)AFP