【5月16日 AFP】しわ取りなど美容治療に用いられるボトックス(Botox)注射が、英イングランドとウェールズで偏頭痛治療薬として国営の国民健康サービス(National Health Service, NHS)による保険診療の対象となりそうだ。

 NHSの依頼を受けてボトックスの効果などを評価していた英国立臨床評価研究所(National Institute for Health and Clinical ExcellenceNICE)は11日、既存の治療法で改善がみられなかった偏頭痛患者の頭痛予防に有効だとして、ボトックス注射を推奨するという最終指針案を発表した。

 ボトックスは、医薬品企業アラガン(Allergan)のA型ボツリヌス毒素製剤。  臨床評価研究所のキャロル・ロングソン(Carole Longson)教授は「偏頭痛は患者の生活の質にも大きく影響する。3種類以上の治療法を試しても効果がなく、さらに頭痛の原因が薬剤の過剰摂取でない偏頭痛患者に、評価委員会としてボトックス治療を勧めることができたことを喜ばしく思う」と語った。

 臨床評価研究所は現在、最終指針案への異議を受け付けつつ最終指針をまとめている。NHSの規則によってボトックスは最終指針の公開から3か月以内に保険診療対象になる。(c)AFP