【5月8日 AFP】車での通勤距離が長い人は、短距離通勤の人よりも過体重で健康度も低い傾向があるとの研究論文が、1日の米医学誌「American Journal of Preventive Medicine(米予防医学ジャーナル)」に掲載された。

 米ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)のワシントン大学(Washington University)のクリティーン・ホーナー(Christine Hoehner)氏率いる研究チームは、米国の過密地帯の上位5位に入るテキサス(Texas)州ダラス・フォートワース(Dallas-Fort Worth)近郊と、近隣のオースティン(Austin)の住民、計4300人のデータを調査した。

 その結果、車で長距離通勤している人は短距離通勤者と比べて、ウエストサイズがより大きく心臓血管の健康度が低い一方で、血圧や肥満度指数(BMI)がより高かった。また長距離通勤者はフィットネスジムに通ったり、エクササイズをしている機会もより少なかった。

 研究によると、通勤距離が15マイル(約24キロメートル)を超す人は、「中程度から激しい運動を行えるとする推奨基準を満たすことが少なく、肥満の傾向もより高かった」。10マイル(約16キロメートル)以上の通勤距離が高血圧と関連性があったという。  ホーナー氏は「(車での)通勤距離が長いと、エネルギーの消費量全体が減る可能性がある」と述べている。また通勤距離が健康に及ぼす生物学的影響については、これまであまり研究が行われていないと指摘した。(c)AFP