【4月18日 AFP】米食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)は16日、インドから輸入したキハダマグロの中落ちが、116人が発症したサルモネラ菌による集団食中毒に関係していたと発表した。
 
 FDAによると、今回の食中毒は全米20州に広がり、12人が入院したが、死亡者は出ていない。食中毒患者の多くは、「スパイシー・ツナ」とうたわれてすしなどの料理に使われていた生のマグロの中落ちを食べていたという。

 FDAの報道官はAFPに対し、米カリフォルニア(Californa)州に本社を置くムーンマリーンUSA(Moon Marine USA)は、同社がインドから輸入した2万6683キログラムの冷凍キハダマグロの自主回収に踏み切ったと述べた。この食材は「ナカオチ・スクレイプ(Nakaochi Scrape)」の商品名で出荷されていた。

 FDAは米国でマグロの中落ちは飲食店や食料品店で提供されるすしや刺し身、マリネなどに使われることが多く、個人に販売されることは少ないとしている。
 
 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)も、政府と各自治体の保健当局の合同調査の結果、マグロの中落ちが「サルモネラ菌による食中毒の原因とみられる」と発表した。CDCによると、今回の食中毒の中で消費されたすしの43~71%、「スパイシー・ツナ」を使ったメニューの29~53%にこの食材が使われていたという。

 米国では今月に入って、牛ひき肉加工処理大手のAFAフーズ(AFA Foods)が「ピンクスライム」と呼ばれる化学処理された牛くず肉に対する厳しい批判を受け、会社更生手続きの適用を申請している。

 ピンクスライムは正式には「骨なし牛赤身断片肉(Boneless Lean Beef TrimmingsBLBT)」と呼ばれるもので、ペットフードや食用油に使う牛くず肉をアンモニアで防腐処理したもの。安価な水増し用の材料としてハンバーガーなどのひき肉に混ぜられることが多い。(c)AFP

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