【1月5日 AFP】米食品医薬品局(Food and Drug AdministrationFDA)は4日、抗生物質セファロスポリンの牛、豚、鶏、七面鳥などの主要な食用家畜への使用を制限する方針を発表した。人間に感染する菌が薬剤耐性を獲得することが懸念されるため。

 セファロスポリンは感染症を予防するために健康な家畜類に投与されているが、FDAは4月からこのような使用を禁止する。家畜用として承認されていない人間やペット用のセファロスポリンをこれらの家畜に投与することも禁じられる。

 指定された投与量、頻度、期間、投与経路を守ることを条件に、病気の兆候を示したこれらの家畜に獣医がセファロスポリンを一定の範囲内で適応外処方(承認された目的以外の処方)することは認められる。カモやウサギなどの主要ではない食用家畜への適応外処方は引き続き認められる。

 FDAの決定についてルイーズ・スローター(Louise Slaughter)米下院議員は、「ささやかな第1歩」と評したうえで、2009年に米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)が、サルモネラ感染例の3%近くでセファロスポリン耐性菌が確認されたと発表していることを強調した。(c)AFP